平成29年度 全学FD・SDフォーラムを開催しました
平成29年9月4日(月)に世田谷キャンパスにおいて、平成29年度全学FD・SDフォーラムを開催しました。
第1部(午前の部)は、本学がAP事業と中長期計画(アクションプラン2030)で進めている学修成果を重視した教育改革について、改めて教職員が主体的に考え、理解を深めることを目的とし、大阪大学高等教育・入試研究開発センターの山下仁司教授をお招きして、『学習者中心の教育とは何か ~学修成果のアセスメントとディプロマサプリメント~』をテーマに開催し、358名の教職員及び本学と連携協定を締結している室蘭工業大学の教員が参加しました。
山下教授による講演会に先立ち、岩尾徹FD専門委員会委員長より開催趣旨の説明と、「本学の育成する人材像~APでの調査から~」と題して、人材ニーズ調査・卒業生調査・学生実態調査から得られたデータの分析結果を交えて、本学の育成する人材像とのつながりの中で見えてきた課題や今後の方向性について説明があり、全学的に共有を図りました。その上で、「都市大生ならでは」の主体性の養成を一層強化していくために、学習者中心の教育への転換の必要性と総合的達成度評価の重要性などについて説明をしました。
引き続き、山下教授による講演会では、「何のために大学に行くのか」「本学にはどのような役割実験の場や生きるテーマを発見し得る装置があり、何を強化すればよいのか」についてペア・シェア(ペアを組んで互いに自分の答えを紹介)をした後、「高等教育は学生に何を身に付けさせるべきか」「学び続ける姿勢を涵養するためにいかに主体性を引き出すか」についてお話をしていただきました。そして、入学から卒業までを通じた学生を成長させる仕組み、学生の成長を測る評価についてのポイント、求められる学修成果や達成したい目標から授業の仕方と学習の進め方を設計する方法(バックワードカリキュラムデザイン)など、教育成果の測定におけるPDCAサイクルの考え方についても丁寧に説明していただきました。
AP事業では、個々の学生の学修成果を卒業時にステークホルダーに対して客観的に示し、共有するツールとして「ディプロマサプリメント」の開発を行っています。さらに、学生の学修活動や目標の達成状況を在学中から学生自身が確認できるものとして「プレ・ディプロマサプリメント」を活用する計画です。「プレ・ディプロマサプリメント」は、教職員が協働しながら学生の主体的で深い学びを支援し、その成果を可視化することで学生の自律的な成長を促すものです。事後アンケートの結果では本フォーラムの満足度は94%と高く、本学の目指す人材像を起点としたこれらの取組に向けて、学習者中心の教育への転換の意味と意義を考える貴重な機会となりました。
<岩尾FD専門委員会委員長による説明>
<大阪大学高等教育・入試研究開発センター 山下教授による講演>
<主会場(21C教室)>
<副会場(22C教室)>
<ペア・シェアの様子>